機密保持の必要性からシステムの具体的な内容を掲載することはできませんが、弊社マイクロシステム株式会社は昨年、制御周期100mSの高速制御を必要とする燃焼制御盤一式を受注し、無事納品いたしました。
通常、アイソレーション、接続距離の克服のための信号レベルの変換、制御演算、制御値のフィードバックなど、一連の制御周期には200mSほどかかるのが通常です。
対して、今回お客様から受注した制御システムは制御周期を100mS以内に収めるようとのことでした。燃焼制御システムであるため、液体の流量や圧力、温度などを高速で計測し、演算して結果をPID制御値として100mS以内にフィードバックしなければなりません。 このように要求仕様は厳しいものがありました。
弊社はこれまでの経験と蓄積したノウハウ、問題解決力を結集して、お客様の要求仕様を満足する制御が行えるよう細心の注意をはらいながらシステムの開発に当たりました。昨年十ヶ月の開発期間のあと現場に納品されたシステムは、最新の燃焼制御試験のために稼働を開始しました。
ここでは、本システムの開発に当たりクリアしたいくつかのポイントをご説明します。
●どのようなシステムか
燃焼制御は燃料等の気体流量制御を高速かつ正確に行わなければなりません。
オリフィスによる上流圧力と差圧、気体の組成を加味した定数、温度などをパラメーターとして計算した流量などを求め、即座にフィードバックしなければなりません。、本システムの要求仕様ではこれら一連の制御周期を100mS内に収めなければならないという厳しい要求がありました。
また、燃焼室(サブユニット)と制御室(メインユニット)は離れた場所にあるためアイソレーションを十分にした上で高速通信が必要となります。
制御室では制御状況の視認と記録、運転操作のためタッチパネルとペーパーレスレコーダを使用しヒューマンインターフェースの向上に配慮しました。
●いかにして制御周期を100mS以内に収めるか
どのようなシステムでもアナログ系と制御系のアイソレーションはつきものです。今回は圧力・差圧・その他 120点、温度60点と多点であることと、設置スペースの制限、高速性の配慮から、ディストリビュータにVJA4-026(非絶縁ディストリビュータ 2チャンネル形)を使用し、アイソレーターはVJHF-016(絶縁1出力超高速応答形)を使用しました。
これら一台につき二系統のディストリビュータとアイソレータを使用することで設置スペースを抑えるとともに、50μSという超高速応答形を使用することで、アイソレーションによる信号入力の遅れを極力無くすことができました。
設置スペースの制限から調節計関係を、操作盤内(メインCPU側)へ収納しています。データー信号はサブユニットのA/Dコンバータに入力されて、光FAバスによってメインユニットに運ばれます。オリフィスの上流圧力と差圧、温度、流体の定数からラダープログラムで流量を求め、PID制御の主体であるUT55Aデジタル指示調節計のアナログ入力、PID制御(制御周期50mS)値をサブユニット側に戻します。
ここでUT55Aのパラメータを一つ一つ書込み/読出ししていたのでは間に合いません。このためUT55A側にメモリ領域(ラダープログラム)に設定値を並べておき、それをModbusで一気に書き込むという方法で高速化を図っています。
この他、ペーパーレスレコーダによる100mS周期の収集(記録周期100mS(CSV保存))PLC(CPU2)への読込み(100点)・書込み(アナログ入力 180 点)を演算機能使って高速通信しています。
監視用パソコンで、シーケンスのタイムトレース(最大32点)100mS周期収集しPLCメモリに900秒分蓄積します。
タッチパネルのデータを使って、監視用パソコンに転用(不具合が少ない)・記録計のWAB監視ています。
●マイクロシステムの底力
弊社はこれまでの豊富な納入実績による経験から、お客様のかゆいところに手が届くサポートを旨としています。お客様の要求仕様を実現するための適材と技術的な勘所を見極め最適なシステムをご提案することができます。計装システムで制御系を任せられる会社をお探しならぜひマイクロシステム株式会社にご用命ください。
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